投稿

「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本〜非・繊細さんの視点から〜

イメージ
先日「スマホ脳」という本を読み、スマートフォンの中毒性に抗えない人間の脳の仕組み、そしてそれを証明するかのような自分のスクリーンタイムの多さにあらためて危機感を感じた。 私の場合は「人とつながっていたい」というよりも、何かインプットしたいという欲求からついスマホでSNSをチェックしてしまう気がする。 そんなインプット欲求を満たすためにKindle Unlimitedをもっと活用しようと思い、ここ最近は興味のある本はかたっぱしからダウンロードして読んでいる。 大好きな本屋で休日何時間も過ごす…なんてこともできない海外在住の身には涙が出るほどありがたい。 (今や日本の皆様も本屋や図書館に長時間滞在は難しいと思うので、Kindle Unlimitedを活用している方も増えているのかも…?) そんなKindle Unlimitedに以前から話題になっていたこの本を発見! 2018年にこの本が発売される少し前に、「HSP(Highly Sensitive Person)」という言葉は知っていたけれど、あらためて読んでみることにした。 「繊細さん」の本 「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる /飛鳥新社/武田友紀 posted with カエレバ 楽天市場 Amazon 本書にあるチェックリストを試してみる。 23の設問のうち「少しでも当てはまるのなら『はい』と答えてください」とあるとおり答えて、8個が該当した。 「意外と多くない?私、HSPに当てはまるのかな…??」 と思ってちょっとドキドキしながらページをめくると 「12個以上に『はい』と答えたあなたはおそらくHSPでしょう」 とのこと。あ、やっぱりそうだよね…。 (※もし該当数が少なくても、その度合が極端に高ければHSPかもしれないという注意書きはあり) そう、私は本書曰く「非・繊細さん」。 私自身が当てはまらないと思っていたからこの本も手にとっていなかったけれど、繊細さんかな?と思う人や、自身でHSPだと語っている方と接する機会もある。 繊細さんの特質を理解することで、人とのコミュニケーションの参考にしたいなと思って読んでみることにした。 著者は企業で研究職に従事し、ストレスによる休職をきっかけに繊細な人の心の仕組みを研究し始め、現在は繊細な方向けカウンセリングや講演等で活躍されている。 印象深かった箇所をい

【渡米準備】渡米が決まったら〜まずは予防接種の準備!

イメージ
アメリカ生活はや8年目。 こちらで暮らし始めてから、日本の友人知人でアメリカ駐在や留学が決まったという方とお話する機会も多数ありました。 必ず言うのが 「予防接種の準備を!!!」 「歯医者の治療をしておいてね!」 「Kindle買ったほうがいいよ!」 の3つです。 ここではあらためて、予防接種について書いてみます。 我が家の苦い思い出 移住するときに日本で数ヶ月前から予防接種のスケジュールを組み、準備してきた我が家。 日本でスケジュールを組んだクリニックは、海外渡航者向けのクリニックでしたが、予防接種の一覧表には「北米」と書かれていました。 広いアメリカ、そんなに大きなくくりではおさまらなかったようです…。 いざノースカロライナに来てみたら、公立小学校や民間のプリスクールに入るために必要な予防接種が足りていなかったことが分かりました。 足りなければもちろんアメリカで接種できるのですが、当時、事情により近くのクリニックなどで予防接種が受けられなかった我が家は、州の保健センターに行って受けざるを得ませんでした。 そこはおそらく公共福祉サービスの範囲で医療を受ける方が来る医療機関。 建物内もなんとなく暗い雰囲気で、スタッフさんもあまり愛想の無い方ばかり。 5歳の息子は初めての雰囲気に号泣、つられて8歳の娘も号泣という苦い思い出です。 おまけに副反応の予防にタイレノールを飲ませることを勧められ、「??」とすっかり混乱。 ▼当時の様子はこちらから… ノースカロライナ4週目【2】 船便到着★子どもの予防接種 おまけに小学校やプリスクールのスタッフからは「もう追加接種した?まだなの?早くしてね!」とかなり厳し目に言われたりして精神的にもツラかったです。 なぜそんなことになってしまったかというと、 アメリカでは州や、その中の郡によって、学校に通うために必要な予防接種が微妙に異なるようです。 (※あくまで教育機関で細かく予防接種が定められているので、企業駐在やその帯同で渡米する大人の方は三種混合や風疹など、日本で北米向けに必要なものを確認して接種すれば大丈夫だと思います。大学で勤務や留学の場合、教育機関なので厳しく規定がある可能性大です。詳細は各自ご確認くださいね。) なので、お子さんと一緒に渡米する方はくれぐれもお気をつけください! これから渡米する方へ ※会社で同じエリアに住む方

うちの子だけじゃない〜【PREGO CLUB(プレゴクラブ)】2021年1月開催レポート

イメージ
 産前・産後の交流会PREGO CLUB、5回目のオンライン交流会を行いました。 妊婦さん5名を含む8名に参加いただきました。 出産を控えた方からは入院時の準備や入院中の過ごし方について、またコロナ禍で上の子の同伴が難しいこともあり、いざお産のときの上の子対応など心配な点を共有いただきました。 人によって進み方が違うので答えは一つではありませんが、他の人の経験談やヒント、助産師さんからのアドバイスなどを聞けたことで心構えと具体的な準備にもつながったのではと思います。 また赤ちゃんの皮膚トラブルやイヤイヤ期、英語と日本語での話しかけ、抱っこのことなど、成長に関する「これってウチだけ?」と思ってしまうようなことに関しても情報交換しました。 子どもがいくつになっても子育てには心配や疑問がつきないですよね。 特にうちの子だけじゃなかったんだ…とホッとしたり、「こういうことが起こるかも…」と心構えしたり、夫婦で話してみたりするだけでも、気持ちが前向きになるのではないかと思います。 今回もサウスカロライナ州やシャーロット、カリフォルニア州からもご参加いただきました。 オンライン開催になり直接皆さんとお会いできないのが残念ですが、この会での情報やつながりに助けられたので自分の経験も誰かに役立てられたら…と参加くださる方もいらして本当に嬉しいです! 次回は3月中旬に開催予定です。またお話できるのを楽しみにしています! ご案内は サザンブリッジFacebookページ をチェックしてくださいね。

【本】精神科医が教える ストレスフリー超大全――人生のあらゆる「悩み・不安・疲れ」をなくすためのリスト

イメージ
 精神科医の樺沢紫苑氏による、現代社会で科学的に「ラクに生きる方法」をさまざまな観点からまとめた1冊。 精神科医が教えるストレスフリー超大全 人生のあらゆる「悩み・不安・疲れ」をなくすためのリ /ダイヤモンド社/樺沢紫苑 posted with カエレバ 楽天市場 Amazon 手にとった理由 2020年のはじめ、いくつかのことが重なりメンタルヘルスについての勉強を少ししたほうがよいかな、と思っていた。 その後コロナウィルスの流行に乗って、今までに無かったようなストレスを感じることが増えた。 前からストレスを感じることはもちろんあったが、若さゆえの気力体力、そして趣味のコーラスや友人とのたわいないおしゃべりなど、発散できる要素が今思えばたくさんあった。 しかし対面の機会が限られコロナ禍で溜まったストレスをうまく消化することができにくくなったと感じたこと、そして自殺のニュースを聞く機会が増え、社会全体に今までにないストレスが蔓延している感覚もあったため、一度メンタルヘルスというものに体系的に向き合ってみたいと思い本書を手にとった。 「7時間睡眠」「朝散歩」「食事」の重要性 本書は以下の項目から成り立っている。 序章:すべてのベースとなる解決法 1章:他人ではなく「自分」を変える 2章:「仲間」と「家族」が活力となる 3章:「天職」を求め、「やらされ仕事」から抜け出す 4章:「疲れない体」を手に入れる 5章:心を整え、「新しい自分」にアップデートする 序章ではすべてのベースとなる心の不安の解決法として、不安はTo Doなどを活用したりとにかく行動で取り除くこと、「悩み」があれば自分で解決策を調べるか然るべき人に相談するかの2つしかないこと、うつ病の予防のため規則正しい生活をすること、の3つのポイントが紹介されている。 規則正しい習慣として筆者は「7時間睡眠」と「朝散歩」、「食事」の重要性を説いている。 朝散歩は起きて1時間以内が良いらしいが、期せずしてこの3点はステイホーム生活になって向上した生活習慣でもある。これらの習慣のおかげでなんだかんだいって健康な精神を保てているのだと実感した。 人間関係のコツ 人間関係についてかかれた章では、実際にあったことを思い浮かべながら学びを得られたことが複数あった。 ・人との信頼関係が形成されるのは3ヶ月〜数ヶ月 ・テイカーよりも

コロナ禍こそパートナーシップが大切〜【PREGO CLUB(プレゴクラブ)】2020年11月開催レポート

イメージ
 産前・産後の交流会PREGO CLUB、4回目のオンライン交流会を行いました。 妊婦さん3名を含む11名に参加いただきました。 今回も産婦人科の先生、助産師さん、産後ドゥーラさんにも参加いただき、妊娠中の体力づくりや産後の授乳、冬場の体温調節や離乳食などなど、様々な話題がのぼりました。 かかえこまず外にヘルプを求めることの大切さ、とはいえそれがしづらいコロナ禍だから特に夫とのパートナーシップが大事!という話も。 途中でグループトークの時間も設け、皆さんそれぞれ不安や疑問もお話できたのではないかと思います。 オンライン開催になり直接皆さんとお会いできないのが残念ですが、この会での情報やつながりに助けられたので自分の経験も誰かに役立てられたら…と参加くださる方もいらして本当に嬉しいです! また今回もシャーロットやカリフォルニア州、サウスカロライナ州からご参加いただきました。 アメリカに来たばかりの方にもご参加いただきました。 この会が少しでもアメリカ生活を充実させるきっかけにもなれば幸いです。 次回は来年、1月中旬に開催予定です。またお話できるのを楽しみにしています!

【本】君に友だちはいらない

イメージ
  著者の瀧本哲史氏は、東大大学院を出てマッキンゼー・アンド・カンパニーに勤務後、タクシー大手日本交通の経営再建に取り組み、その後はエンジェル投資家として活動しながら京都大学産学協同センターで「意思決定論」「起業論」「交渉論」等の人気講座の教鞭を取ってきた人物である。恐ろしく頭が良くて仕事ができる方だったのだろうが、一昨年、40代後半の若さで病死された。 君に友だちはいらない The Best Team Approach to /講談社/瀧本哲史 posted with カエレバ 楽天市場 Amazon 本書は瀧本氏が2012年に若者へのメッセージとして描き下ろした一冊だが、全編を通して、この社会の中でいかによきチームを作りながら価値を出していくか、という示唆に富んでいる。コロナショックで揺れる現在にも学び多い内容である。 第一章では天動説と地動説の話が登場する。天動説はなぜ地動説に置き換わったのか?どこかのタイミングで論破されたのか?研究によるとそうではなく、天動説の支持者が死に絶え、新しい世代は天動説なんておかしいんじゃないかと考えるようになってきたからだという。 「大きな世の中のパラダイム・シフトというのは、『世代交代が引きおこす』ということである。古いパラダイムを信じている前の世代を説得して意見を変えさせるのは、不可能であるし、それに労力を注ぐのは時間の無駄だということだ。」 筆者はこのように述べ、また、自分たちの信じる新しいパラダイムの支持者を少しずつ増やす、つまり「仲間」を作っていくことの大事さを大学の講義や著書で若者たちに伝えている。理由として、過去の明治維新やビジネスの巨人も皆若者だったと紹介する。松下幸之助、井深大、孫正義、永守重信※日本電産、柳井正、スティーブジョブス、ラリー・ペイジ…ビル・ゲイツとマーク・ザッカーバーグにいたっては19歳で会社を設立している。そして彼らは皆よき仲間=チームを得て大きなことを成し遂げているのだ。 また、前職のマッキンゼーや投資先のベンチャー企業「オトバンク」の例を紹介しながら、多様性のある仲間と出会いチームを作ること、そして教養を身につけることの重要性を筆者は強調する。 「大学に行くことの本当の意味は(中略)『教養とはほかの見方が存在しうることを知ること』にある。」 「教養の持つ大切な機能の一つが、『自分と違う

【本】世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?~経営における「アート」と「サイエンス」~

イメージ
  世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 /光文社/山口周 posted with カエレバ 楽天市場 Amazon 経営と美意識の深い関係とは? 著者の山口周氏は電通、ボストン・コンサルティング・グループ等を経て、組織開発・人材育成を専門とするコーン・フェリー・ヘイグループのシニア・クライアント・パートナーを務めている。 本書によると、近年イギリスの有名な美術系大学院大学ではグローバル企業の幹部候補の社員を対象としたトレーニングプログラムを拡大しているそうである。 その目的は経営にこそアートから学べる視点、つまり「美意識」が必要、ということだ。本書ではなぜ経営に美意識が必要なのか?を様々な視点から分析している。文章がとても論理的に組み立てられており、なぜ?と考えながら次の章で納得して…と読み進められ、非常に興味深い一冊だった。 本書では「経営の美意識」を、「いわば『懐の深い概念』」として、つまり「様々な企業活動の側面における『良い』『悪い』を判断するための認識基準」として用いている。 具体的には社員を鼓舞するビジョンであったり、企業倫理や行動規範の判断基準であったり、自社の強みや弱みにあわせた効果的な経営戦略を形作る価値観、最後に文字通り製品やコミュニケーションにおける美意識といったことである。 まとめると経営における「真・善・美」を判断するための認識のモード、ということになる。 経営に「美意識」が求められる背景 この背景として、近年の企業経営が「サイエンス」に偏った経営に陥ることによる業績悪化やコンプライアンス違反を生んでいる状況を挙げている。実際に小さくとも「経営」に関わっている身としては、筆者の言わんとすることは非常に良く理解できる。 経営に美意識が必要な理由として筆者は3つのポイントを挙げている。 論理的・理性的な情報処理スキルの限界が露呈しつつある 現代社会では経営の意思決定において、分析や論理だけでは判断が難しい状況が多すぎるにもかかわらず、判断基準が論理に偏りすぎていること、それにより判断スピードが停滞すること、さらに論理はパターン化してしまい他社との差別化等ができなくなることに筆者は警鐘を鳴らしており、論理に加えて重要な判断基準となるのが美意識による直感だと述べている。 経営学者ミンツバーグによる